DMEの利用
DMEは天然ガス、石炭、バイオマスなどの原料から大量生産することにより、経済性ある価格で入手できうる合成燃料です。 多様な用途で利用が可能であり、各種利用機器について試験が行われ、その実用性が確認されています。
民生用燃料
都市ガス、LPガスと同様の用途、厨房用、暖房用に利用できます。20%程度までであれば、DMEをLPガスに混合して、LPガス用機器をそのまま利用できることが確認されています。
また、ディーゼルエンジンを利用したコジェネレーションシステムも開発されています。
輸送用燃料
DMEはセダン価が55-60と高いことからディーゼルエンジン用燃料としても利用することができます。DMEエンジン開発、DME自動車開発が完了し、10万kmを超える走行試験により、耐久性が確認されており、ススの発生がなく、光化学スモッグ影響の炭化水素排出がない次世代クリーンディーゼル車として期待されています。また、DME自動車へのDME燃料充填設備の開発も完了しています。
発電用燃料
ボイラー燃料、ガスタービン燃料として利用することができます。既存設備を利用した実証試験により、天然ガスと同等の熱効率、環境特性が得られることが確認されています。
発電用の大型ディーゼルエンジン試験も実施されています。
天然ガス、LPガスなどに比べ、比較的低温で水蒸気改質され、熱バランス上有利なことから、燃料電池用の燃料としての利用も期待されています。 また、燃料電池自動車用にコンパクトな改質装置も開発されています。
工業用燃料
食品会社のボイラーや磁器焼成用に使用されています。
ケミカル原料
DMEからエチレン・プロピレンを製造する技術が開発されています。価格の高騰している石油ナフサからの製造に比べ、コストを下げられると期待されています。
DME製造の原料、製造法、DMEの用途を示します。