DMEの製造

 DMEの製造法には、メタノールから脱水反応によって製造する間接法と、天然ガス、石炭、バイオマス等を原料として製造した合成ガス(H2、COを主成分とするガス)から合成する直接法があります。現在利用されているDMEのほとんどは、間接法で製造されていますが、メタノール自体は、合成ガスから合成されるので、高効率化を期待して直接法の技術開発が行われました。

間接法DME普及促進プラント

 DMEの普及促進を目指して、三菱ガス化学、伊藤忠商事、石油資源開発、太陽石油、トタルDMEジャパン、豊田通商、日揮、三菱重工業、三菱化学の9社は、年産8万トン (最大10万トンまで拡張可能)のDMEを製造する合弁会社である燃料DME製造株式会社を設立しました。DME製造プラントは、三菱ガス化学新潟工場内に建設され、2008年8月に運転を開始しました。
三菱ガス化学のメタノール脱水プロセスにより、輸入メタノールから燃料グレードDME(純度99.8%)が製造され、新潟県内の食品会社のボイラー燃料、運送会社のトラック用燃料等として使われています。

年産8万トンDME普及促進プラント

年産8万トンDME普及促進プラント

スラリー床直接合成法によるDME製造技術の開発

 本技術の特徴は、構造が単純でスケールアップが容易なスラリー床反応器と高効率でDMEを直接合成する触媒を用いることです。
このDME直接合成技術を商用化可能な段階まで開発するため、2002年度より5年間、経済産業省より補助を受け、日産100トンの実証プラントを用いる技術開発が、JFE、大陽日酸、豊田通商、日立、丸紅、出光興産、国際石油開発、エルエヌジージャパン、石油資源開発、トタルの10社により設立された研究法人有限会社ディーエムイー開発により実施されました。
2003年度から2006年度にかけて、5ヶ月間の長期連続運転を含む運転が5回行われ、技術が実証されるとともに、各種エンジニアリングデータが取得され、商用プラントヘのスケールアップ技術が確立された後、現在、豊田通商、国際石油開発、石油資源開発、トタルの4社に共同で継承されています。

日産100トン直接合成実証プラント

日産100トン直接合成実証プラント